ナギ ナリコのENTREVUE BLOG

「ナギ」ですが時にはあらぶり「エンタメ」「すきなこと」について書く。演劇・宝塚・映画・本、アート・旅行等娯楽、趣味の話とたまにの真面目コラム。

往年の名作レビューを宙組誕生20周年に合わせヴァージョンアップ?@宝塚宙組『シトラスの風-Sunrise-~Special Version for 20th Anniversary~』

予告通り『天は赤い河のほとり』の供演のショー『シトラスの風-Sunrise-』

についてレビューしたいと思います。

前もの芝居天は赤い河のほとりのレビューはこちら。

www.nagi-narico.com

ロマンチック・レビュー
シトラスの風-Sunrise-』
~Special Version for 20th Anniversary~
作・演出/岡田 敬二

1998年の宙組誕生時に上演された『シトラスの風』が、宙組誕生20周年となる2018年、新トップコンビ真風涼帆と星風まどかの大劇場お披露目公演として、新しいテイストを加えて鮮やかに甦ります。
“飛翔”“誕生”などの新しい時代への飛躍をテーマに、“シトラス”のイメージが放つ“清々しく、爽やかで、若い”風と、宝塚レビューの香りと色彩を詰め込んだ、詩情溢れる作品。フレッシュでバイタリティに溢れた新場面も加え、岡田敬二のロマンチック・レビュー・シリーズ第20弾として、新生宙組の魅力を余すところなくお届け致します。  

 宙組公演 『天(そら)は赤い河のほとり』『シトラスの風-Sunrise-』 | 宝塚歌劇公式ホームページ

ちなみにわたしはシトラスの風」自体初見。これまでの宙組の全国ツアー版、『シトラスの風Ⅱ』『シトラスの風Ⅲ』も未観劇です。(スカステではもちろん観ています!)

まず従来の『シトラスの風』を踏襲した場面。

・オープニング

・夢アモール

・ステート・アフェア

ノスタルジア

・明日へのエナジー

新作場面

・中詰め アマポーラ

・bojangle

・デュエットダンス

・男役群舞(白燕尾)

まず、初回鑑賞の時思ったことと致しましては……

「うん、シトラスの風だね〜!」でした。

映像で何度か鑑賞していますが、新場面も確かにあるのですが、言ってみれば過去の「岡田敬二先生作、演出作品の枠をでない」とでも言えるでしょうか。パステル、ビビッドカラーの綺麗なお衣装、集団を中心とした場面作り、夢夢しい場面に定番、往年の名曲の数々…

先の星組『Bouquet de TAKARAZUKA(ブーケ ド タカラヅカ)』酒井澄夫先生もそうでしたが、昨今のショー作家とは違う、確かに新作(今回はヴァージョンアップ?した記念公演)ではあるけれど、「往年のショー作家の作品」でした。

新作場面にしても、中詰めはアマポーラに変更、ダサい水玉ラテンがなくなって、確かにどの世代でも知っている名曲ですが、男役娘役ともにターバン、銀橋でテンポアップして締め、というのはどこか既視感…と思っていたら星組『ロマンス!!(Romance)』でした。ターバンに拘りが…?ターバンってかぶりこなし?難しいですよ、コンサバでもロマンスでも思った、ともかく娘役さんが可愛く見えないんだよな~…何故ターバン…

bojangle、伝説のダンサーの魂たちが踊り出す場面、謝珠栄さんの振付で宙組誇るイケメン、新進の男役たちが小粋に踊るのも、往年のレビューシーンみたいな衣装でカッコいい…!!組長すっしーさんはやっぱりダンサー組長!カッコイイ!のですが、どうもラストの処理が良くなく…

デュエダンや白燕尾はいいのかな、と思ったのですが、これだけ歌わせまくっているトップ娘役にエトワールをさせるのはどうなんだろう…とモヤモヤ。(もちろん往年のショーではあるあるなのは知っています)

 

従来の「シトラス」を踏襲した、 『ステート・アフェア』『ノスタルジア』なんて、いかにもタカラヅカちっくで夢夢しくて本当に可愛らしく美しい場面です。まどかちゃん中心にスタートは意外とベテラン娘役(女役)が可愛く囲んでいるのもポイント!笑 しかし『ステート・アフェア』のまどかちゃんの白い帽子の処理はどうにかならなかったのか…過去公演もそうみたいですが、中心にポツンと置いてあって、周りの観客も幕間「あの帽子って落としたの?」みたいな声聞こえてきましたよ…細かいとこちゃんとしようよ~。

ノスタルジア』は素敵でした~まどかちゃん歌頑張ってるなあ。真風とキキちゃんの令嬢まどかちゃんをめぐって闘争心メラメラぶりも注目!でしたし、「白軍服を着て生まれたような男役」あっきーさん(澄輝さやと)の華麗な軍服の着こなし、この公演でご卒業の結乃かなりさんと組んで踊っているのも本当素敵…!!

『明日へのエナジーはもう過去映像で何回も観ているのですが、やっぱり胸が熱くなる場面です。

おおっ!これが「あの」「明日へのエナジー」!!という。

ゴスペル調で神聖な、でもとても「エナジー」に満ち溢れた熱い場面。

初演の姿月あさとさんが特別アドバイザーとして参加したそうですね。宙組の伝統、魂を受け継ぐ場面。宙組誕生時から在籍している、副組長美風舞良さんに歌わせているのも良かったなあ、と。

と、こういう感じで良かった場面がほとんど従来の「シトラスの風」のそれ、という感じなのが…むむむ、と。

 

ベテランショー作家のフォーマットがアップデートされない辛さ

そもそも「シトラスの風」と「サンライズ」って繋がります?笑 と、根本的なところからよくわからなくなってきたんですが…苦笑、ちょっとbojangle等、野生的な部分を入れた、ってとこでしょうか。ロケットの掛け声も何故か衣装に反して低めの男役声だったし…もっと細部まで可愛く夢夢しくつくれば新たなロマンティック・レビュー誕生足り得たんじゃないだろうか…という思いがぬぐえません。

岡田敬二先生、今後も現役でいる気満々で、それはそれで素晴らしいことだと思います、が…

例えば:

・エトワールには路線外の歌ウマ娘役を使う

・ショーでも組子1人ひとりの個性に応じた細やかなアテガキをする

・大人数だからこそ出来る派手な転換などキャッチーな場面を作る

・退団者にきちんと餞場面を作る

みたいなことって、最近のファンの割と需要事項なんですが、そこそもそも汲み取れています…?みたいな疑問があります。

トップの登場の仕方や、中詰めスター格の銀橋渡り、トップコンビのデュエダン等は昨今のスタイルを必ずしも取り入れなくても、それはそれで面白く、時には新鮮な印象を受ける。

ただ、最近のファン層の需要をどうも汲み取っていないような…オープニングから団体芸で見せるところはいいのですが、衣装や選曲、転換等の場面作り、配役等々、良きところは残して、でももっと最近のファンの好みは汲んだ方が良いのでは…?時代の流行を取り入れたほうがいいのでは?と思うのです。この公演でご卒業された星条海斗さんの徹底的な専科扱いも、それでいいと言えばいいんでしょうが、ぎもん。

というか、演出家自身が既存の、言ってみれば「古い」「タカラヅカレビュー」のフォーマットに無意識にとらわれ過ぎている、と思いましたね。アップデートされていない。「偉大なるマンネリ」とも言いますが、それにしたってねえ…という。

ただ、初見時こそ、こういう風に感じたのですが、星組ブータカがそうであったように、リピートして観ると「あれ、意外とこれはこれでいいかも…」みたいな印象になりました。今回はこれで、往年のショー作家のフォーマットとして、観れば観るほど味わい深いものになっている…のかもしれません。

 

宙組にいつ「名作ショー」が出来るのか?

うーん…そもそも宙組は誕生20周年にして、各トップの「ショーの代表作」「名作」がほぼなく、「シトラスの風」一択って言うのは辛いなあ、と。

これが花組だったら「EXCITER!!」「CONGA!!」月組「Apasionado!!」(いずれも藤井大介のイケイケ三部作)、雪組星組も最近の野口ショーなんて評価が高い作品ですし、往年の熱烈なファンがいる荻田浩一作、演出のショー作品もある。

10周年記念公演だった藤井大介作・演出『宙 FANTASISTA!!』や、石田昌也作・演出『ファンキー・サンシャイン』は名作というか迷作?だし、割と最近の藤井大介作・演出朝夏まなと・実咲凛音『HOT EYES!!』はわたしはすきだけど、大階段使いがビミョーな評価だったし、稲葉太地作・演出『クラシカル・ビジュー』もトップ退団公演としてはビミョーな評価(じぶんは結構すき)だったし…

宙の名作ショーとはこれ!このショーのために通いたい!みたいなショーがほぼないのが問題だな~と個人的に感じております。

次の公演ではかなり宙では久しぶりの「日本物ショー」大野拓史作・演出『白鷺(しらさぎ)の城(しろ)』、ということで日本物ショーは好評価得にくいのでちょっと心配。真風・星風コンビ中に中村一徳先生のダンスショーとかこないのかなあ、トップ二人もだし、結構踊れる男役多いですよね、宙組って。

そうだ!ダンスショーだ!男くさい真風、キュートなまどかで踊りまくる…で行こう!(どうですか、劇団さん)

 

ということで、長々と書きましたが、新生宙組の今後に期待します!

宝塚男役にぴったりなヴィジュアルの真風涼帆と宝塚娘役にっぴったりなヴィジュアルの星風まどか、風風コンビ、プレお披露目のWSSを観ていなかったのですが、お似合い。すごく「タカラヅカらしい」並びのトップコンビだと思います。これからも楽しみに、ショーの名作が来ることを願って。

長くなりましたがこのへんで〆たいと思います、あっ、でも「萌え語り」が全然足りないのでまたアップするかも~その際は宜しくお願いします~なナギナリコでした!

 

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