ナギ ナリコのENTREVUE BLOG

「ナギ」ですが時にはあらぶり「エンタメ」「すきなこと」について書く。演劇・宝塚・映画・本、アート・旅行等娯楽、趣味の話とたまにの真面目コラム。

ちぎみゆが小粋に別れの挨拶、充実の雪組を実感@宝塚雪組『幕末太陽傳/Dramatic S!!』

今日はもうだいぶ前の公演になりますが、宝塚の伝説のコンビ、早霧せいな、咲妃みゆの退団公演にもなった二作をご紹介します。こんにちは、ナギナリコです。わたしにとって宝塚初観劇作品の主演だった思い出深い二人の公演です。

 

かんぽ生命 ドリームシアター
ミュージカル・コメディ
幕末太陽傳(ばくまつたいようでん)』
~原作 映画「幕末太陽傳」©日活株式会社監督/川島 雄三 脚本/田中 啓一、川島 雄三、今村 昌平~
脚本・演出/小柳 奈穂子
1957年に封切られた、鬼才・川島雄三監督の代表作である映画「幕末太陽傳」。「居残り佐平次」を中心に、「品川心中」、「三枚起請」、「お見立て」他の古典落語を組み合わせ、実在した品川の遊廓・相模屋を舞台に起こる様々な人間模様を軽妙なタッチで描いた、日本映画史に燦然と輝く名作です。 幕末の品川宿。一文無しのまま相模屋を訪れ、女郎おそめを揚げて大尽遊びに興じた佐平次は、翌朝飄々と居残りを決め込んでしまう。そして番頭まがいの仕事を始め、次々と起きる騒ぎを持前の度胸と機転で解決しては、お礼の金をちゃっかり貯めこんでいた。相模屋で攘夷の計画を練る高杉晋作らとも交友を深め、いつしか佐平次は、廓の人気者となるのだが…。生への活力が漲る中に憂いを漂わせる人情喜劇に、早霧せいなを中心とした雪組が挑みます。

かんぽ生命 ドリームシアター
Show Spirit
『Dramatic “S”!』
作・演出/中村 一徳
“S”をキーワードに繰り広げる「Song&dancing Show」。ショースター(Show Star)として輝き(Splendor)を放つ早霧せいな(Seina Sagiri)率いる雪組(Snow troupe)の魅力を、最大限詰め込んだショーシーン(Show Scene)の数々をお届け致します。 また、宝塚大劇場公演は第103期初舞台生のお披露目公演となります。

 

雪組公演 『幕末太陽傳(ばくまつたいようでん)』『Dramatic “S”!』 | 宝塚歌劇公式ホームページ

 

幕開き、錦絵で幕が飾られています。攘夷派の志士たちが外国人に追いかけまわされている、たまたま通りかかった町人・佐平次はある志士の懐中時計を拾います。そして場所は移り品川の遊郭、相模屋。沢山の女郎や芸者が働くその場所に佐平次はやってきます。そしてあれこれの諍いに首を突っ込んでいるうちに相模屋に居座ってしまい…という感じ。

早霧せいな、咲妃みゆという宝塚の歴史上はじめて、トップ就任後の全本公演動員率100%を超えの記録を打ち立てたコンビの退団公演にどういう作品を持ってくるか、ということで、この作品が発表された時から「ちぎみゆ」(二人のコンビの愛称)退団するの?!どうなの?!というのはファンの間で話題だったと思います。結果、この作品で退団だったわけですが…いや~~~思い切りましたね~~…

退団公演で日本もの(時代劇みたいなの)で、有名な雪組でもトップが青天(真ん中そって青くなっている鬘)で、コメディって…小柳奈穂子さんは手堅く舞台をまとめてくれる演出家として有名ですが、思い切ったな~~と。ちぎみゆのお披露目公演の代表作、『ルパン三世』のキャラクター造形は、映画版幕末太陽傳の佐平次を演じたフランキー堺から着想を得たそうなんですが、それにしてもトップの退団公演にこのような落語由来の古典的映画、群像劇的な芝居を選ぶ、というのが非常にチャレンジングでしたし、それは成功していたように思います。

小粋にさり気なくお別れっていうのがやりたかったのもわかる。

ただ、やはり一ファンとして思うのは、「もっと二人が濃く絡む要は恋愛ドラマが観たかった、芝居巧者のふたりであるからこそ」というもの。「伯爵令嬢」「ルパン三世」「るろうに剣心」等いわゆる2.5次元ものが多かったふたり。意外と濃く絡む恋愛ものって少ないんです。例外は「星逢一夜」、恋愛ものは「私立探偵ケイレブ・ハント」もありますが、あれはすでに付き合ってる二人の、大人のラブストーリーですからね。当時最強の二番手望海風斗さんの、ただものではない存在感の高杉晋作も良かったですし、退団される鳳翔大さん、香綾しずるさん、星乃あんりさん等にちゃんと見せ場と大きい役を与えているのも良かった。あんまり芸事はうまくないんだけど(失礼)憎めないキャラの大ちゃん、がおりちゃんの芝居の巧さ、あんりちゃんのキュートさが印象的でした。専科の汝鳥伶さん、悠真倫さんのお二人はとっても贅沢な使い方でした。うまい〜。でもこれ息子の方は沙央くらまさんじゃだめだったの…?AllforOneとかぶってたんだっけ…?

ラスト、「地獄も極楽もあるもんか!おいらまだまだ生きるんでい!」というのもとっても良いですね。希望の持てるラスト。幕末太陽傳の元ネタ、グランドホテルのオットーを彷彿とさせます。

ただ、やはりおそめにはアメリカ国で女郎なんてやらずに、別の新しい道を捜して欲しかった。女郎も立派な職業だと思いますが、二人の向かう先は自由の国、アメリだもの。

…という感じで演目自体は楽しめましたが、やっぱり宝塚の歴史に残るこのコンビにもっと他の演目があっただろう、とは思います。小柳先生は基本ハズレはあんまりないんだけど、たまに演目が個人趣味に走り過ぎるようなところがあるように思います。礼真琴さんの「かもめ」なんかもそうですね。好きでしたど。

 

ドラマティックSは雪組の充実を感じる一作で、わたしはどうもまだまだにわかのファンのせいか、ショーの楽しみ方がよくわかっていない気がするんですが、いい意味で「いつもの中村一徳先生のショー」です。中村一徳先生のショーはダンスショーがキホンで、構成はほとんど変わらない、舞台美術もネオンみたいな感じ、ナイトクラブやパーティー、若者たちのダンス等を織り交ぜる感じ。たぶん長年見てるファンなら演出家しらなくても「これは中村B(中村一徳の愛称)ショー!!」だと分かると思います笑

中村B先生のショーはトップがダンス不得意だとあんまりおもしろくないのかな?

でも「偉大なるマンネリ」ですが、とても見応えある内容でした。外国人振付家ブライアント先生に頼んだ場面もとてもキラキラ華やか、ゴージャスなパーティーになっていました。あとは印象的な絆の場面。雪組の千秋楽での恒例ポーズがなんとショーの一シーンに…!沢山の組子と絡む場面はトップの退団公演ならでは。感動的でした。男役の黒燕尾にちょっとくだけた「ベサメムーチョ」を選ぶのも現代的なスター、早霧せいなさんに合っていました。あと!中村一徳先生は少しでも娘役だけの場面を作ってくれるのがとってもいい!みゆちゃん可愛いかった~!娘役みんな可愛かった!あ、次期トップコンビが絡むパリの場面も素敵でした。真彩ちゃんのエトワールもとっても綺麗で美しい声。

全体の感想としてはそんな感じかな。中村先生のショーって、ともすればマンネリになりがちだと思うんですが、平坦な印象にならず、飽きさせず、最後まで見せるのはこの時の雪組の充実があるからだと思いました。

宝塚史に残る、トップコンビの幸せな卒業公演、観ることができ、こちらも大変幸せな気持ちで劇場を後に出来ました。

雪組宝塚大劇場公演 かんぽ生命 ドリームシアター ミュージカル・コメディ『幕末太陽傳』/かんぽ生命 ドリームシアター Show Spirit『Dramatic“S

映画は↓ちょっとなまりがキツイので、↑を見てから見ると、より一層楽しめると思います。

幕末太陽傳 デジタル修復版

 

 

 

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