ナギ ナリコのENTREVUE BLOG

「エンタメ」「すきなこと」について全部書く。演劇・宝塚・映画・本、アート・旅行等の娯楽、趣味の話とたまにの真面目コラム。

パーソナリティは生涯大切にするべきだけど、キャラクターはいくら変わったっていい。

こんにちは。常日頃、いやたまーに、お知らせしているのですが、noteでもたまに文章を書いています。

note.mu

こちらが本家であちらは分家みたいな感じ。ブログ書いてる隙間に息抜き的にちまちま書いてます。たまにあちらしかアップしていない記事も。

本日は久しぶりにあちらの記事をこちらに持ってきました。

ではでは…

 

最近読んでいた本で見つけた、こんなフレーズがわたしの何かのスイッチを押しました。
「人間にはパーソナリティとキャラクターがある」

「パーソナリティは変わらないが、キャラクターは(接する人によって)変わる」(意訳)
読んで、ふおお、と何だか腑に落ちまして。いや、まあ至極当たり前のこと言ってるんですよ。
でも、そうか、パーソナリティは変えられない……つまり変わらなくてもいいんでは、キャラクターは変わる、ならキャラクターはどんどん変えても良いんじゃない?!と、はたと思ったんです。

いきなりですけど、いわゆる「ぶりっ子」ってどう思いますか?人に媚び売る人、どう思いますか?嫌ですよね。てか、ぶっちゃけ嫌いだし、嫌われますよね、そういう人間。女の子間でね。

でもね。

それ、意外と理にかなってません?
ぶりっ子って例えば女子が好きな男の子に傍から(女側)見たら過剰に甘えたりアピールすることですよね?女オンナすることですよね。
人によって態度変えて地位の高い人間に媚びへつらう人、超嫌ですよね。うざいですよね。
でもただ相手とその場によってキャラクターを変えている、と考えたらどうでしょうか。
もっと言うと、相手やその場に相応しい行動、言動をとっている、と考えたら?

他者に媚びへつらう、って、周囲からは白い目に見られがちですけど、でも我々皆んないつ何時でも誰とでもフラットな関係でいられる訳ないですよね?
むしろ、場や相手に相応しい、相手を利する、また自分に利する行動をする、って極極自然なんじゃないかなあ、と思うんです。

ぶりっ子は極端かもしれませんが、そういう態度をぶりっ子がするのはそれがメリットがあるからです。ぶりっ子ちゃんモテるし。
また、「手もみ媚びへつらいヨイショさん」(今勝手に思い付いた)がいるのもそうした方が得だから。

ぶりっ子や手もみ媚びへつらいヨイショさん(長い)ほどではないにしても、毎日過ごしていれば、本当一人の人間が色んなキャラクターを抱えて日々生きているんだな、と感じるんですよ。

で。
我々人間、とっても不思議なことに一貫性がない、法則性がない事柄を理解するのって、結構苦手じゃないですか?

現実では一人の人間が色んな面を持っている、実は結構一貫性のない存在なのは至極当然なことなのに、「あいつは人によってキャラ変えてる!おかしい!」みたいな。

SNSだと「前と言ってることが違う!」みたいなのよくありますよね。

いやいや何年前の発言についてだよ、みたいな。

極悪犯罪者が愛妻家だったら信じられない!ですとかね。

 

確かに人によってキャラを変えることは、あまりに二枚舌が過ぎたりすると傍目に信頼を失うので、そこには注意が必要ですが…。あと、やっぱり政治的なトピックですとか、思想的なところはあまりコロコロ変えると、うん?この人ナニモノ?信頼出来る?とはなると思いますよ。でもそれだって変っていきますよね、いつも同じ生活、人生歩んでいる訳じゃないから。卒業、就職、結婚、出産、身内の不幸みたいな大きなライフイベントではなくとも、小さなライフイベントはいくらでも転がっている。だからそれに応じて、そこで会う人に応じて、人間ってそもそも変わるもんなんだ、って思うんです。

なので、ヒトはもっともっとキャラ変したっていいんじゃない?って思うんですよ。
例えば大学デビュー?どんとこい、だし、顔立ちがブサイクと言われようが「わたし美人〜!」みたいに振舞って良し、好きな人の前では可愛くする、気に入られたい人間には徹底的気に入られるように振る舞っていいじゃないか!
メイクや服や髪型だって、もっと色々変えていいはず。
人見知りだからって明るく振る舞っていけないわけではないし、オタクや病みキャラがいつも暗い人間とも限らない。自由に生きるの。(それなんて…エリ…略)

一方で。

「パーソナリティ」は大切にするべきでしょう。
何故かって?当然ですよね、それがおのがアイデンティティだから。
わたしは女で異性愛者でおたく気質、まあフェミニスト、政治思想はどっちかっていうと左寄りですが、それは、ほぼほぼ未来永劫変わらないだろうパーソナリティなんですよ!

「自分らしく生きる」「自分のすきなことをやる」。

巷でよく言われるこれらは、例えばすきなことの方が成果を上げやすかったり、あと本当本来は自分がそう生きているのが楽だから、というのがあると思うんですよね。
パーソナリティは、人にどうこう言われようが変わらない、変えられない部分。

アイデンティティ

切実さを持ってじぶんが生涯抱えている部分。
だからそれをちゃんと大切にして生きた方がいい。

でも一方で。

繰り返しますが、表面上のキャラクターはどんなに変えたっていいのではないでしょうか。処世術として、ででもだし、そもそもパーソナリティのようには自覚出来ない部分で、有為転変、日常で変化して行く部分。小っちゃい頃好きだったこと、ものが意外と好きでなくなったり…みたいなのはフツーにありますよね。そういう意味ではプロスポーツ選手や芸事の世界に生きる人は大体が年若いときから覚悟して一環しているんだからすごいなあ、と。(完全に余談ですが。)

髪型やメイク、ファッションは「変えていいキャラクター」の最たるもの。もちろんアイデンティティに発展することもありますが……

しかしいわゆる「性格的なこと」も、三つ子の魂百まで、からもう少し広くスタンスをとってみると、人生よりよく生きれるんじゃないか~?と思うのです。

ね、パーソナリティは大事にして、キャラクターはもっと柔軟に生き(行き)ましょう!

結論でした。
陳腐にまとめちゃったかな。でもそう思うのです。

ナギナリコがお届けしました。

こんなハイレベルな新人公演初めて観た…!@宝塚月組 新人公演『グランドホテル』

タカラヅカ・スカイ・ステージにて去年の正月公演、月組『グランドホテル』の新人公演の放送が先月、今月とありました!最近やっと視聴…

結論:素晴らしかった…!!わたしは新人公演生で観た経験がない弱いファンなのですが、これまで映像で観た新人公演では一番レベルが高かったのでは?と思ったくらい完成度が高かったです…!!

往年のブロードウェイミュージカル(原作は映画)なのでこれからも放送が定期的にあるかは微妙なところです。新公は放送自体レアなので、もし今後放送する機会があったら、是非視聴or録画することをオススメします!

グランド・ホテル [Blu-ray]

ちなみに本公演のレビューはこちら。わたしの初・宝塚遠征の公演でした…

新人公演キャスト

フェリックス・フォン・ガイゲルン男爵   夢奈 瑠音

エリザヴェッタ・グルーシンスカヤ        海乃 美月

オットー・クリンゲライン                              風間 柚乃

ラファエラ・オッタニオ                                 蓮 つかさ

エリック・リトナウアー                                 礼華 はる

フリーダ・フラム[フラムシェン]               結愛 かれん

ヘルマン・プライジング                                 春海 ゆう

運転手                                                              輝生 かなで

オッテルンシュラーグ             颯希 有翔

男爵は最後の新人公演で主演を勝ち取った96期の夢奈瑠音くん。相手役のグルーシンスカヤは新公ヒロインや東上ヒロイン等、経験豊富の97期海乃美月ちゃん。この公演の二番手格オットーには100期の風間柚乃くん、フラムシェンの結愛かれんちゃんはともに抜擢ですね。当時研4さんと研2さん位。

非常に公演としてまとまりのある、かつ個々の配役もキャラクターにあっており(そこに寄せることが出来ていた方もいますし)「新人公演」としても各々のレベルが高い公演であったと思います。確か公演当時もSNSで評判だったような。

主演のふたりは新人公演ですけれど、危なげもほぼなく、手堅く演じており、もう少しキャリアや経験をつめば本公演でも通用すのでは?!という出来。るねくん、歌、歌えるんですよね~!本役珠城りょうさんが苦戦していた楽曲も大健闘して歌っていたと思います。いわゆる「男役芸」というところになると、線も細い男役さん(しかも超小顔)ですし大変だったろうな、という部分もあるのですが、きちんと若々しく魅力的な男爵でした。初主演だからと言って舞いあがっている感じでもなかったのが頼もしい。長の期ですものね。

くらげちゃん、本役愛希れいか、ちゃぴちゃんは、わりと役作りとしておばちゃまちっくに攻めてきていた印象なんですが、海ちゃんは「往年の誇り高き舞台人感」が出てて、こう声は低くして工夫していましたけど、変に年かさを足すことなく自然に魅力的なグルーシンスカヤだったと思います。

上手くてびっくりしたのが風間柚乃くん。元々100期の中では注目の男役さんでしたけれど、実力派ですね~!!現在先の月組本公演『カンパニー』での新公主演もしており、『エリザベート』本公演ルドルフ、新公ルキーニという抜擢ぶり。本公演のピックアップも目立つので、もちろん観客としては把握しているんですが、当時もまだまだ下級生。公演前後、丁度放送があった美弥るりかさんとのスカステ番組の対談で、初々しくて可愛いなあ、って思って見ていたのを覚えております。少し小柄ですけど、お顔も男役に良い、美人さんですよね。

美弥さんのオットーは「かわいい」キャラクター的な部分と、生来の「優しさ」とがあったと思うのですが、おだちんのオットーは割と人間臭い造形だったかな。ナチュラル。下級生だとこう、舞い上がっていたり、役作りが浮いてたり、やりたいことに技術が追いついていない…みたいなこと、新公あるあるなんですが、しっかり腰を据えて安定感さえ感じる出来。るねくんや海ちゃんみたいな先輩、実力派相手にたのもしいですね…!今後の活躍も楽しみです~!(実は最近更に舞台姿がカッコ良くなってきて気になっている…告白)

結愛かれんちゃんはまずヴィジュアルが可愛い!マリリンモンローみたいな、小柄ですけど、色っぽくチャーミングなフラムシェン。本役の早乙女わかばさん、海乃美月さんより、元々の持ち味としてハマっているのでは?!踊れるのも強みですし、芝居も間の取り方など上手いですね~。この次の『All for One』で新公ヒロでしたが、(それはそこまで評判を聞いていないのですが)今後はどう使われていくのかな…?課題は歌ですが、まだ下級生、伸びしろはありますよね!下級生にして大人っぽく色っぽい持ち味があるのは個性としていいな~と思います。

次の『All for One』で新公主演を果たした蓮つかさくん。元々綺麗な顔立ちで、実力派。発声が明瞭なのも強み。メイクに工夫の余地はあるかな、と思いましたがラファエラ、綺麗でした。歌声もいい。お芝居はどう見せたいのか…っていうところでしょうか。

プライジングの春海ゆうくん、オッテルンシュラーグ颯希有翔くんは新公卒業学年長の期、96期なだけあって、さすがの上手さでした…!颯希有翔くんは本公演でのピックがあまりない印象ですが、こんなうまい生徒さんなんですね。やっぱり新公見ると、下級生の上手さがわかって楽しいなあ…もっと使われれば良いのに。二人とも割と声から本役を踏襲している印象を受けたので、もっとオリジナルで作っても…とは思いましたが、長の期としては逆にその安定した佇まいが正解なのかもしれません。春海ゆうくんは「長長さん」でご挨拶もされていましたが、とても丁寧にしっかりとされていましたね。

エリック・リトナウアー、礼華はるくん、運転手の輝生かなでくん、102期と99期、ともに現在まで新人公演の役付きなかなかもよく、将来的にはもっと上を目指せる生徒さん達だと思います。エリックは意外と全編にわたって見せ場が少ないキャラクター、しかしラストのソロが難しいんですよね…はるくんは長身、スタイルの良さと、歌が上手なのも将来有望なポイント。お芝居や男役芸はまだまだこれから…だと思うので。あちくん(輝生くんの愛称)はダンサーで、ロケット等ダンスでは集団でも目を引く魅力を持っている男役さん。今回の運転手は…うーん、少し難しかったかな?ご本人の苦労が少し見えたかな、と言う印象。そして新人公演を観てわかったのが、実は運転手役は本役宇月颯さんの熟練の男役芸が必要な役だったのだな…ということ。例えば制服の着こなしもですし、特に所作。としさんの無駄なく、筋が通っていながら、ラフな印象もあり、妖しげな運転手はとても印象的だったので。

以上、他にも通し役を貰っている子達はどの子もきちんとしていてうまかったですし、全体での歌声も良かった…!新公を繰り返し見ていると、まだまだ舞台慣れしていなんだな…とか、明らかに舞台のレベルを下げちゃってる…っていう子が新公に関してはままあるのですが、今回は全体的に本当レベルが高かった…!

もちろん映像で拝見したので実際舞台を生で観劇して観る時の印象と、多少受ける印象が違う事もあるかと思います。

でも出来としてクオリティが高かったのは間違いない、と。

公演全体として本公演より手堅いというか、とてもオーソドックスなグランドホテルに思えました。

新人公演の担当は竹田悠一郎さん。まだバウもデビューしていない方ですが、素晴らしくまとめられているのではないでしょうか?こちらも今後のご活躍が楽しみですね。

 

この時から更に月組は組として勢いをつけている印象がありますので、新公メンバーもおのおのレベルアップしているはず。

今後の彼女たちの活躍に期待します…!!月組下級生、有望!

ナギナリコがお届けしました!

 

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観劇というよりアトラクション体験@森下スタジオ 庭劇団ペニノ『蛸入道忘却ノ儀』

タニノクロウさんの庭劇団ペニノの久しぶりの新作舞台に足を運びました!


庭劇団ペニノ『蛸入道 忘却ノ儀』(作・演出:タニノクロウ)trailer

庭劇団ペニノ「蛸入道 忘却ノ儀」 | 庭劇団ペニノ

まず、劇場内に入ると、スタジオ内に荘厳な山寺が作られているのに驚きます…タニノさんはいつも舞台美術に大変こだわりをお持ちですよね。

今回も本当に内部にいるとスタジオという屋内にいることを忘れてしまいそうな立派な山寺のセットです。

山寺には中心に蛸の形状の吊りもの(鐘に蛸脚のようにひもが繋がれたもの)があり、そこをぐるっと囲むように座席が配置されています。

その前に、別室でお札にそれぞれの願い事と名前を書いており、それが(おそらくそれまでの回のお札)が堂内あちこちに貼ってあります。また、入室の時に鈴か、鳴り物と教本を手渡されます。

開演すると、始まるのは蛸入道の関する宗教的な儀式です。

壁面の扉を閉めたり、教本(南無阿弥陀仏に蛸入道アレンジを加えたもの)を全員で朗誦したり、鳴り物を鳴らしたり…

出演者が男女で八人いるのですが、皆一様に蛸色(=赤)の服を着ていて、途中お水を配ったり、観客の参加を促しながら儀式がすすめられます。

最初に書いたお札ははじめの段階で読まれます。(余談ですが、これほとんどの方が素直にじぶんのフルネーム書いていて、皆さん素直だな、と思いました…わたしあだ名にしたので…)

教本には仏教の南無阿弥陀仏や少しジャズ?のような楽譜、蛸入道の遺跡が発掘された場所の地図?構造図?のようなもの、蛸と言えば北斎の某浮世絵が有名(ですよね?)ですが、そのイラスト、陰陽的な図やら何やら、色紙など…が教本に入っています。

これを出演者がはじめから、ずっと読み、儀式を執り行い、観客はそれをずっと見続けているのです。

経を読むほかに音楽も演奏されますし、途中、温度が暑くなっている訳でもないのに、あまりにも出演者が熱心に儀式に没入するため、不思議と堂内が暑くなっているように感じるようになります。少し、堂内がこもっている気もするのですが、クライマックスに至るまでは物凄い迫力でした。

ただ、わりと上演時間全体使って、観客は経を読んだり、鳴り物を鳴らしたり、等色々やるのですが、終始「傍観者」というポジションなのですよね。観劇というより、ひとつのアトラクションなのかな、と感じました。

演者さんが皆汗をだらだらとかいて必至の形相で、大迫力なのですが、一方で観客側としては没入しているようでしていないような印象があるのです。あくまでも「傍目」というか。

進行具合から例えば、クライマックスでお堂の天井が開いたり、壁が動いたり、演者がなにか…ということを想像していたのですが、意外とふつうに、というか最初から最後まで「蛸入道忘却ノ儀」で終わったんですよね。その意味では少し拍子抜けした内容ではありました。

仏教や信仰をどこか皮肉っている面もありましたし、タニノさんのお話しから察するに

(私の回はゲスト講師:山口宏子(朝日新聞記者)とのトークがありました)、既存の演劇の客席、観客の関係性を変える事こそが、タニノさんのしたかったことなのかな、という印象を受けました。ただ、タニノさんって本当独特の感性をお持ち、というか。

トークの内容もわかるようなわからないような、おしゃべりの仕方でしたし、タニノクロウさんの深層心理に触れることは一観客には簡単に出来そうもないな、そもそもこの作品で何か色々語ろうとすること自体野暮なのだな、という感想に落ち着きました。

7月1日で終演しておりまして、ネタバレを聴いてしまうと、なんだそんなこと、と、もしかしたらなるような芝居?アトラクション?見世物、なのかもしれません。(Twitterでも呟いたのですが、何か意味づけすると価値を見失うタイプの作品、というか)

でも確かにこれまでの客席、観客と、出演者、という関係性ではなしえなかったものが確かにそこには生まれているように思えました。

たまにはこんな観劇?体験も良いな、と思うのです。

タニノさんの持っている世界観は普通の人間、凡人には理解できないことも多いのですが、総じて、興味深い体験となりました。

ナギナリコがお届けしました。

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星組あの世/キラル(ANOTHER WORLD/Killer Rouge)で組子を愛でる。とりあえず「あの世編」。

現在東宝で公演中のファン通称・星組あの世/キラル。

kageki.hankyu.co.jp

宝塚での観劇を経て、東宝でも観劇しております!

た、た、たのしいー!!なんて楽しい演目!!

特に星組ファンにはたまらない演目!!

トップ紅ゆずるさんの芝居心が存分に発揮された『ANOTHER WORLD』。ゴージャスで今の星組にぴったりなキャッチーなショー、『Killer Rouge』は台湾公演も視野に入れた作品。

正直、演目発表があった時は色々不安を覚え(失礼)、チケットの動きもはじめこそそこまで良くなかったような印象を受けますが……幕が開けると評判急上昇!個人的にも谷正純、齊藤吉正、両先生の座付き作家の職人芸が冴えわたっている佳作/意欲作だと感じました!

トップコンビや中心付近のキャストについては軽めに、公演評は千秋楽近くにアップしますので、今回は、そうです、個人的嗜好に基づいた、ちょっとした「キャスト語り」と星組子チェックの報告を致します!!ああでもあの世は下級生が全然なんだよ……以下ほぼ順番は適当です。

 

あの世のこの人のここがお好き

紅ゆずる

開口一発目から客席を温めここぞとばかりに笑いをとりまくる紅ゆずる氏…おそろしい子…!!宝塚でも「あの紅さん?上手だねえ」(おそらく初観劇の方)東宝でも「紅さんってかっこいい役出来るの~?(ポジティブな笑)」という声が聞こえてきましたが…紅ゆずるの笑いのスキル控えめに言って最高ですよね?!

綺咲愛里

カワイイだけじゃない!あーちゃんはしっかりした時に男前な子なんだ!!紅ちゃんもそれを頼りにしてる!はず!

礼真琴

まこっちゃん粋でいなせな感じが良く出た男前…!でも実はちょっと天然。今までのまこっちゃんの役づくりで一番すきかもしれない~!

七海ひろき

喜六かわいい。なんですか、あの可愛い生き物は?!宝塚をへて、東宝に来てドタバタ度がパワーアップしておりませんか?べにかいは芝居の相性がとてもいいですね…!紅さんも七海さんも細々と繊細なお芝居が出来るので。いやとにかく喜六がかわいい。このタイプの役は新境地では?!可愛い。

汝鳥伶

閻魔様の威圧感が凄いのですが?!メイクもスチールよりずーっとパワーアップしているし…!おそるべしゆーちゃんさん…谷先生がずーっと使い続けている谷作品に欠かせない役者さんですよねえ。

華形ひかる

同じく谷先生の作品の常連。谷先生の渾身の?セルフパロ(とも言える)・貧乏神のびんちゃん大劇場デビュー!!ラストはちゃんと皆さん衣装をチェックしてくださーい!!そこに気づいとこう!

如月蓮/白妙なつ

ここはあえてセットで書きますが、初見だと誰だかわからなかった…!!すごい「コスプレ」「役作り」!!迫力のれんれんと天国に誘う美声のなっちゃん

漣レイラ/紫藤りゅう

ここもあえてセットで書きますが、初見だと誰だか一瞬わからなかった…!(声でわかる組ファン)。…人間臭い役どころですね笑

天寿光希/大輝真琴

ここも一瞬あ(略)衣装や立ち位置も含め、お似合いでしたね~!天寿さんのこういう役って珍しい!そしてふたりともやっぱり上手い!

有沙瞳

幕開け、チョンパから始まる華やかな場面、ここでは有沙瞳ちゃんの着物の所作を見ていただきたい…「スカピン」でも流れる様なわっかのドレスでの歩き方が綺麗でしたが、着物でも綺麗。民謡をやっていた話は聞いたことがあるのですが、日舞もやっていたのかな?長い裾が足に絡まらないでターンしている…!お芝居の初音役も声の張り、芝居の前に出る感じ、もちろん歌も、すべてがスキルとキャラがぴったんこですね~!コミカルなちゃきちゃき茶屋娘超可愛い。

美稀千種

副組長みきちぐ。康次郎の父、金次郎役も印象的ですが、「あの世」に行ってから別のある役で登場します…これが凄く良かった!というか演出家の愛を感じましたね。みきちぐはおそらく(専科生のぞけば)今の現役の男役では一番小柄な人だと思いますが、それでも谷先生がその培った男役芸で見せるシーンを作ってくれたことに感動しました。往年の小柄なトップさんみたい!

音波みのり

みんな見惚れててしまう美女ぶり、おれたちのはるこちゃん!今回幕開け後随分と登場が遅いのですが……登場したらその美女ぶりに!目をみひらく!!それはそうです、脱衣婆の招待は〇〇〇。情感たっぷりの歌声や、ライトが絞られる最後の瞬間まで気を抜かない表情づくり、本当に素晴らしい…!切ない表情をみてみて!

輝咲玲央

源頼光役はそこまで大きいキャラクターではないと思いますが(鬼退治センターです)、いやー、星組誇る「髭役者」ぶりが際立ってました!こんな髭似合う男役もなかなかいないっす。

十碧れいや

今回でご卒業のポコちゃん、阿漕姉さん(同期の夢妃杏瑠ちゃん)にこき使われる小次郎役。

ポコちゃんも今までシュッとした役やカッコいい役が多かったように思います。今回の姉さんにこき使われながらなんだか微笑ましく見てしまう可愛らしいキャラクター・小次郎。はまり役だと思います。

ひろ香祐

徳三郎につき従う丁稚なんですが、三枚目の役がハマっていました!ヒーローはなんでも出来るんですよね。これからもっと役付き上がるといいなあ。

瀬央ゆりや

見せ場と言えば徳三郎とたった二人の掛け合いだけのような赤鬼役ですけれど、しっかり毎回笑いを取るお芝居心を発揮。間が面白い!

というか麻央侑希(わたしはまおくんをフルネーム呼びする)ともにみんな鬼のメイクが凄すぎて、誰が誰だか全然わからないんだ…辛うじて、声でぴーちゃん(天華えま)、桃堂くん(身長で)位という…組ファンとして修行が足りない…

白鳥ゆりや

今回でご卒業の白鳥ゆりやさん。タツミ芸者蔦吉(つたきち)役。彼女が本公演でこんなに台詞がある役しているのを初めて観ました…!!台詞回しもすらすらと味があってうまい!ドクトル・ジバコのラーラの母もすごく良かったし、星組は惜しい方を失ってしまうのだなあ…。

極美慎

ほぼ後半、クライマックスに登場、ですが、ピンクのほっぺたの桃太郎が超可愛いので見て下さい!キワミンン、名前はごつめだけどかわいいなあ~!

桜庭舞

舞ちゃんは八場でカトリーヌ(華鳥礼良こと小野小町)が歌う後ろで四人いる平安調の着物を着た女官たち(星蘭ひとみ、桜庭舞、華雪りら、彩園ひな、の左から二番目なんですが、着物を着た動きが特に綺麗だと思いました。さすが雪組出身!

 

谷正純先生 

あの世で現役引退だとOGの方のブログで偶然知りました。どこか他にコメントあったでしょうか…??いずれにしても、宝塚ではまだまだ歳なんてなんのその、という演出家陣が多い中(なんならもうちょっと控えめにいようか?という…)、谷先生早くないですか?近年ではオリジナル作品について、確かに賛否両論の作品もある印象だけれど、佳作だってありましたよ。この作品だって素晴らしいのに…

【タカラヅカ 夢舞台】座付き作者・谷正純 人に笑われ、人と違うことはイイことなんだとまず教える - 芸能 - ZAKZAK

以前読んだ記事。ここに原作地獄八景亡者戯の記述も。紅ゆずるさんというコテコテ関西人トップでやること、念願ですよね。でもやっぱり少し早くないですか…?

‟来た!″ M6弱地震 | 立ともみ オフィシャルウェブサイト

 

個人的に音咲いつき、華鳥礼良、桜庭舞等をコーラス的な役回りで使っているのも好印象…!あと専科生のお二人(汝鳥 伶、華形ひかる)ははまり役でしかないですね…!

ってか皆はまってるんだ…!!そこがすごい…!!役自体は意外と御一行様以外に美味しい役少ない気もするんだけど、そんなことはとりあえずいい。(いいですか)

だって組子が楽しそうで、こっちも超楽しくて、宝塚らしい団体芸で見せてくれ、とってもワクワクドキドキする場面ばかり…本当良い作品ではないでしょうか?

本当長くなってしまったのでキラルの個人的見どころについてはまた別記事で書きます!!何度観ても飽きない…!!

組子が色んなところでしている小芝居も楽しいし、セルフパロも楽しいし、舞台美術も本当に美しいんですよねえ…本当何度見ても飽きない!(繰り返す)

 

紅ゆずる・綺咲愛里トップコンビ時代の星組の、虹色の魅力が詰まった作品です!まだの方、まだまだ観たい方、観る予定の方、ともに楽しく観劇しましょう!!

 

雑多で網羅的な内容でしたが、今回はこのあたりで。

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ほっこりあったかい、でも一筋縄で落ちない井上ひさし作品@新国立劇場 小劇場 栗山民也演出『夢の裂け目』 

閉幕してだいぶ時間が経ってしまいましたが、新国立劇場『夢の裂け目』をレビューしたいと思います、ナギナリコです。

素晴らしく、心に残る、また必ず再演を望みたい一作でした。

 

昭和21年6月から7月にかけて、奇跡的に焼け残った街、東京・根津の紙芝居屋の親方、天声こと田中留吉に起こった滑稽で恐ろしい出来事。ある日突然GHQから東京裁判検察側の証人として主って気を命じられた天声は、民間検事局勤務の川口ミドリから口述書をとられ震えあがる。家中の者を総動員して「極東国際軍事法廷証人心得」を脚本代わりに予行演習が始まる。そのうち熱が入り、家の中が天声や周囲の人間の<国民としての戦争犯罪を裁く家庭法廷>といった様相を呈し始める。そして出廷の日。東条英機らの前で大過なく証言をすませた天声は、東京裁判の持つ構造に重大なカラクリがありことを発見するのだが…

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夢の裂け目 | 新国立劇場 演劇

 

舞台設定とものがたり

舞台上、ステージを囲むように近代建築の白い石造りのプロセニアムアーチが。

オケピがギリギリ観客に頭部が見える位の深さで埋まっており、4人の演奏者がこの時代の衣装を着て演奏しています。

中心に民家の和室の一室があり、中央には電球がぶら下がり、招き猫や座布団等が置かれています。

照明が電球にともり、静寂からテンポの良い曲が流れ舞台が始まります。

主人公の天声こと田中留吉は根津で紙芝居屋「民主天声会」を営んでおり、娘、義理の父、妹と同居している。そこに妹君子の芸者仲間の妙子、元映写技師の佐藤、復員兵の三郎等が加わります。元々は講釈師であった天声は活動弁士としても大人気。義父が絵を描き、天声が喋りで見せる紙芝居、中でも「満月狸ばやし」は大好評の一作でした。「満月狸ばやし」は戦に負けた殿様狸の罪を家老狸がかぶるお涙頂戴話。果たして時は敗戦の年、検察側の証人として天声に召喚状が届きます。そこで天声は民間検事局勤務の川口ミドリと出会います。

物語が大きく動き出すのは、軍部での紙芝居が好評を得、この過程で天声一家が軍部と商売しようという狙いが姿を現し「庶民の戦争責任」という問題が浮かび上がり始める前半クライマックス部分。

この後調子に乗った天声、大学等での講演にひっぱりだこになりますが、そこで「満月狸ばやし」の構造、殿様狸=天皇、家老=東条英機という共通点に気づき、それを広めてしまいます。軍部に捕まった天声は拘留されます。

占領が終わるまで「満月狸ばやし」を演らないという誓約とともに天声は釈放。国民は天皇と東条に踊らされていただけなのか、むしろ「天皇万歳」「大東亜共栄圏」と自ら踊っていた者もいたのではないかと、再び「庶民の戦争責任」についての問題が姿を現し、幕が下ります。

 

物語構造について

…文字にして表してしまうと、さっくりと、わかるような、掴めないような作品だと思います。

あらすじとしては上記ですが、ここにテンポが良い楽曲、歌や踊り等が入り、舞台から受ける雰囲気は終始「喜劇」ほっこりあったかい。ただ、しっかりと社会風刺、当時の日本の戦争責任について、現代の客席に向け、井上ひさしが問いかけている内容があり、そこの皮肉が効いている。そして、この芝居はステージを囲うプロセニアムアーチ、クライマックスの「夢の裂け目」という歌、カーテンコールの「(役名)は実は、〇〇さんです!」の挨拶からもわかるように「メタ」的な演出、脚本になっている。そこが「重喜劇」とされるゆえんかな、と。

現代に生きる我々が、物見遊山的に見に来ていても、舞台の随所に、井上ひさしと栗山民也の巧みな「しかけ」を感じ、戦争責任に対する強いメッセージ性を感じずにはいられないのです。

極「自然で」「楽しい」舞台なのに、いつのまにか浮かび上がる「深い今日的なメッセージ」。この舞台の「名作」と誉れ高い評価もうなずけました。

演者について

段田安則さんをはじめ、演者はみなさん巧みな役者さんばかり。段田さんの終始愛嬌と味のある語り口も素敵でしたし、唯月ふうかさんの演じる娘道子の軽やかで初々しい歌声も魅力的でした。私の大好きな俳優さん、木場勝巳さん。途中まで、正直役不足だなと思っていました。けれど、クライマックス付近の台詞。「でもでもでも…人生はそんなことばかり、(こう)ありたいと(こう)あるの繰り返しの毎日」意訳)というしみじみと清風先生が心に沁みることを言うのです。この台詞、一見すると唐突なので、木場さんだからこそ言えた台詞だな、と個人的には思いました。保坂知寿さんは贅沢な、というか意外な使われ方のシスター役でしたね。綺麗な讃美歌の声が聴けました。他、高田聖子さん、吉沢梨絵さん、上山竜治さん、玉置玲央さん、佐藤誓さん。皆さんそれぞれ味わい深く、面白みのあるキャラクターでした。

井上ひさしの戯曲の巧さ

わたしは井上ひさしさんの戯曲をそんな読んでいるわけではなく、作品も沢山観ているわけではありません。思いつくのは、「ムサシ」「日本人のへそ」「父と暮らせば」「キネマの天地」「天保一二年のシェイクスピア」あたりでしょうか。

ムサシ

この程度で井上ひさし作品について総括するのも我ながら浅はかだな…と思いますが、

メタ的な物語構造にするのが井上ひさし

言葉にとことんこだわるのが井上ひさし

ユーモラスなのが井上ひさし

物語をドラスティックに動かすのが井上ひさし

おのが主張を確実に入れ込むのが井上ひさし

 

なんだと思います。(あげすぎですかね…)

ただ、これまで観てきた井上ひさし作品でもそうでしたし、今回も上記のことに当てはまるな、と。

『夢の裂け目』の隅々まで行き届いた巧みな構成。井上ひさしさんの才能に敬服致します。それだけ、この作品は素晴らしかった。

非常にユーモラスな喜劇でありながら、何枚も剥いでいくと、根底には痛烈な社会風刺の顔が覗く。激しい主張を激しいテンションで伝えることは、ともすれば直接的なので一番簡単です。でもこんな、パッケージはあくまで明るく楽しく、朗らかな作品でありながら、中身に幾重にも重なる視点を織り込み、実は、厳しい批判精神が根底に流れている作品に仕上げることはなんて難しいことなのでしょうか。

通して観ると、メッセージが心の中にしみじみと浮かび上がる。

非常にお芝居ならではの魅力を持った作品だと思います。

かつて井上ひさしさんの『キネマの天地』をはじめて観たとき、舞台に出ている方々、関わっている方々すべてに心から感謝したくなるような素晴らしい内容だったことを思い出します。今回も、そんな素敵で学び深い公演でした。

蜷川幸雄さん亡き今、井上ひさし作品のこれからの上演の中心にいるのは栗山民也さんなんだと思います。これからも、この『夢の裂け目』を含む東京裁判三部作の上演、他の井上作品の再演を強く望みます。

あまり観劇していない人にはわかりにくい、まとまりのない内容になってしまいましたが、今回はこのあたりで。

 

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